もはや毎年恒例だろうか? 今年も各地で『最高気温更新』のニュースが飛び交った日本列島。
本州はまだ残暑の厳しい日々が続いているのだろうが、ここ北海道の地は大分涼しくなってきた。早朝や夜半ともなれば寒い位で、短い秋はあっという間に過ぎてゆく。
本州の渓流がこぞって禁漁期に入るこの季節、北海道では鮭やカラフトマスの到来と共にアメマスが海から遡上を開始する。
陸封されたイワナとは違い、海で鍛え抜かれたその魚体は例年70オーバーの釣果も聞こえるほどに大きく太く育ち、特に今時期の産卵前の個体の引きはニジマスにも引けを取らない暴力的なものとなる。
そんなトルクフルな天然魚を求めて今年初のアメマス釣行に出かけた。
今時期から鮭の姿が消える頃までの遡上アメマスの釣りはエッグパターンの独壇場となる。
ともすれば軽視されがちなエッグパターンであるが、この時期はこれ以外での釣りが成立しない。
キモになるのはタナとカラー。
特にカラーは1日の内でも刻々と反応が著しく変わるため、豊富なバリエーションを用意しておくのが吉。
この日は釣友と2人での釣り。
釣ろうとする川ではヒグマの出没情報もあり、単独はちょっと怖い。
橋のたもとなど、至る所には注意を促す看板が立てられている。

早朝から開始し、しばらくは反応も無かった。
淵であろうが瀬であろうが、深みさえあれば偏光グラス越しにうじゃうじゃと群れるアメマスが確認できるのに、だ。
おりしもこの日は3連休最終日。
相当の釣り人が入ったのだろう。河原には無数の足跡も確認できたし、かなりスレている事が実感できた。
それでも太陽が顔を出し、暖かさが感じられる様になってから反応が上がってきた。
まずは友人にヒット!

右に左にロッドを動かしながら手元に寄せてくる友人。6番ロッドは完全にバットから曲がっている。
あと少し!60オーバーはあるかと思える魚体が見えた瞬間、痛恨のバラシ。
思わず天を仰ぐ友人と私だったが、これで『釣れる』であろう事は確信できた。
そしてここから特に友人にスイッチが入りヒットの連続。
私も徐々にエンジンがかかり、まずは50cmをヒット。

若干細身だが、ウチワの様な尾ビレにしゃくれた下顎は野生の逞しさを十分感じられる立派な物だった。
その後深みを拾い釣りする感じで釣り上がり、護岸ブロックの際に沿って30mほど続く深みでこの日の最大サイズがヒット!!
ロッドを容赦なく絞り込み、FALXのドラグを鳴り響かせたマッチョな魚体は56cmだった。

その後も小さ目(と言っても40cm)から大きいのまで5本ほどをランディングまで持ち込み、午後2時頃終了とした。
この日の最大は友人の60cmジャスト。
アベレージは恐らく50cmを切っていないだろう。数も2人合わせて15本以上は釣ったと思う。
マッチ・ザ・ハッチの釣りに比べれば、フライの選択に悩まなくていい分、気軽に大物釣りが楽しめる秋のアメマス釣り。
大勢で川に入っても全員が結果を出せるのも魅力的だ。
突き詰めれば奥が深い釣りなのだろうが、私は敢えてこの釣りを考えないで楽しむ事にしている。
春先から頭を捻りながら釣りをしてきた数ヶ月。
仲間とワイワイ、何も考えずストレスフリーでシーズンを締めくくれるこの釣りは考えてはいけない気がする。
そう、お祭りの様に。
秋のアメマス祭り、今年も開幕です。
(レポート:I氏)

2007年9月
釣行場所 道東の河川
使用タックル
ロッド:9f#6
リール;GRAIN FALX
ライン:WE#6
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