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歩いて入る魅惑の川

会津に移住して6年目、あっという間に過ぎた感じで、今年も夏を迎える。おかげ様で本業としている宿屋も健在、フライマンにおそらく愛されているのだろう。しっかりとハードリピーターも増えて、日々のメニューにも困る日が多くなった。嬉しい悲鳴です。

地元漁協では放流のお手伝いをさせてもらっている。毎月放流なので、放流という肉体労働も半端じゃなく思える。定期放流を終え、食堂で生姜焼き定食をパクパク口に運んでいると、何やら見たようなお客が入ってきた。年券を購入されている宿のお客だった。この日は宿泊客がたまたまいないので、さっそく川に誘ってみたら、話はいとも早く「パラダイスかも」という単語に負けて小一時間歩いて釣りに行こうとなった。曇り空で昼過ぎ、それも2時を回ってからの釣り。釣りしている時間より歩いている時間の方が長いかも知れない。

いつもなら入渓点にしている目的の沢を通り過ぎた所で40分弱は経過、休息を取りながら先に構えている堰堤を目指す。足を止めると汗がにじみ出てくる。堰堤の上に到着し、しばし休息を取る。奥さんはけっこう疲れましたね。でもそこはフライフィッシングの魔力。「パラダイス」の相乗効果も手伝って、旦那さんはすでに竿を振る気満々。疲れを忘れているようだ。

何投目かでいとも簡単に良型岩魚を掛けた。クククッと竹竿に小気味良い引きが伝わる。さすが竹竿、イワナがバレる気配もなく、スムーズにランディング。完璧な魚体を見せてくれた。ここのイワナは魚体が黒ずむというよりも銀色に輝く傾向がある。そして太い。川の片側が道で開けているからだろうか。適当な日差しとナメ床が銀色にさせているようだ。

3人で二桁ほどの反応で、片手ちょっとの釣果。ちょうど良い川遊びだった。迫る山、近づく空、清冽な流れ、どれをとっても満足する自然環境。きっと、釣れなくても別に良かったかも知れない。釣り少年の探検心をくすぐる時間であった。

帰り道はまだ明るい時間、そろそろ陽もかげってくる頃。「お弁当を持って釣りに来たいね」と話は弾む。緩い下り坂、足は自然とポクポク進む、一路車止めに向かって。

タックルは、
ロッド:カプラスハイランダーケルソー7fの#3
リール:グレインのグレイス
リーダー:6X9f、ティペット:6X
フライ:カディスのみ。

会津の渓流は時に驚くほどの大型イワナが釣れたりするので、繊細なリーダーティペットは禁物。会津に釣りに行こうと思っている人は覚えておこう!
(レポート:T氏)

2007年 7月
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