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渓流竿初め

転勤による単身赴任が決定し、4月から自宅のある札幌近郊を離れ道東に引越した。
家族と離れる寂しさがあるものの、北海道の中でも釣り場環境に恵まれた道東への赴任はどこかで心躍るものがある事もまた確かだ。

荷物の搬入を済ませ、春のアメマスを狙いに出掛ける事にした。

4月とは言え北海道はまだまだ寒く、場合によっては雪がちらつく事もある。それでも半年ぶり位に川に立つと、寒さも忘れ全ての神経が川面に集中する。
ライズはないか? あの辺に魚が付いているのではないか? フライは何を使う? 沈めるか? ドライでいくか?
自分の技術では空振りに終わる事が多い思案の時間だが、こうした事を考えられる季節を再び迎えられた事に喜びを感じずにはいられない。

結局、毎年恒例の儀式としてエルクヘアカディスを結ぶ。
釣果やマッチ・ザ・ハッチを完全に無視した行為だが、自分の一番好きなフライをシーズン最初の一投に使うのがここ数年の自分のルールになっている。

例年なら久しぶりのキャスティングに違和感を感じるのだが、この冬は仲間と練習に明け暮れたおかげでいつも通りのキャスティングが出来た。しかし、当然ながら魚は出ない。
儀式も終わったので、素直にルースニングに切り替える。フライは#14の黒のマラブー。
水の色が変わって見えるブレイクラインに沿ってフライを流すが反応は無い。

その後もストーンフライのニンフや、エッグなどを流すも反応が無い。
思い切って引っ張る釣りに切り替える事にし、ボディに複数のビーズを使ったストリーマーを結びキャスト。
ビーズボディのおかげで沈みが早く、リトリーブすれば浮き上がる為、表層から中層まで探る事ができる。

度目のキャスト。
倒木際をドリフトさせ、倒木から外れた所でリトリーブを開始する。
回ほどラインを引っ張った所で、ガツン!とした手応えが!!
同時にロッドティップが左右に振られる。アメマス特有の首振りの証拠だ。チラリと見えた魚体の感じでは40cm程度のサイズだが、番ロッドがかなり絞り込まれるほど元気がいい。

ファルクスのドラグが心地良い音を立てる。久しぶりの手応えを十分に楽しみつつ、ランディング。
やや細身ではあるが、綺麗な魚体の立派なアメマス(40cm)だった。

この匹で何故か満足してしまい、納竿する事に。

今年もシーズンが始まった。どれだけの素晴らしい魚達と出会えるのだろうか?
釣り人にとってはとても短く感じる渓流のシーズン。目一杯楽しみたいと思う。

2007年4月5日(木)

場所
道東の河川

使用タックル
ロッド:9f #6
リール:FALXT
ライン:WF#6
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