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2007の記憶 夏、黒谷川へ

夏空の広がる川の風景。いやあ、ホントに暑い夏でした。夏になると無性に行きたくなる川は、あ・そ・こ。
あそこはそもそも6月からのシーズンですから。暖冬&雪不足だったので黒谷川のドライシーズンは早めにやってきているかも。
夏は夏の風物詩もあり、夏の前と夏の後も気持ちが良い川です。本流筋を午前に、支流を午後にと分けて、2回戦、嫁と2人してやっつけて来ました。今回は初めて釣り歩く場所もあり、ワクワク感と新鮮味は十分。きれいなイワナも十二分です。

掛かったイワナはたくましく、どれも強い引き。もう、止められません。ちょっと休憩、いやはや満足の風景です。そこにいるだけで精神的に安定しますね。嫁も着いて来るようになりました。えらいっ! さすがフライ宿の女将だ!

さて一段上に上がるか。そ、そ、そこは、まだ見ぬ桃源郷、だったかな? 取水堤の上流は当然取水していません。取水前の流れはというと、ゴンゴン、ザブザブ。それまでがウソのような清冽さ。そこで1尾、素晴らしい。この渓流の天然イワナです。アブをかいくぐり、やって来ましたこの瞬間、30オーバー。張り出した片側3枚のヒレと尾ビレ。この合計7枚のヒレが、強い流れの中でも魚体の浮き沈みを維持し、前後に泳ぎ切る能力を持っているのでしょう。今シーズンの記憶に残るイワナになりました。

楽しい休日。と言っても、自分たちにとっての休息日ですが、良い汗、良い風景、良いイワナ、そして良い時間。たっぷりと吸収して、充電完了。また会いに来ますね。

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シーズンも終わり、オーブのモニタリングを総括してみたい。この日のモニターは評判になっているリール、オーブ。
ロッドはセージのライトラインロッドTXLの#1。ライトラインだからというだけではなく、ライトウエイト(軽量)のロッドには軽量のリールが相性が良いことは当たり前です。
重量バランスは意外と無視しがちになってしまいますが、1釣行が半日くらいの時間に及ぶと大切なポイントになってきます。
がしかし、超軽量ロッドが先に先に開発、発売されてしまった感をお持ちのフライマンも多いのではないでしょうか。
正直なところ、ロッドとリールのバランスについて宿にお泊りのお客さんに相談されると、3つのリールしかご提案してあげられません。
1つ目はかなり斬新なデザインで少々高価なリール、2つ目はアメリカの有名ロッドメイカーが出しているリール、そして3つ目はグレインのオーブです。何とも不思議な巡り会わせで、グレインのモニターになりオーブを手にしていた自分。お客さんの質問はオーブに集中していたのは驚きでした。
お客さんの手に乗せてあげると「軽〜い」と決まり文句が出る。使っているリールですから当然ラインは巻いたまま。
次に出てくる決まり文句は「結構安〜い」です。最後は買い手が良く考えて購入するもの。道具は使い手によって良い道具にも良くない道具にもなる。

自分の場合はオーブの不具合はまったく無かったが、道具に道具以上の要求をするといろいろと問題もあるでしょう。
軽量リールの最大の悩みは、その軽量ゆえの耐衝撃性かな、と思う。シンプルな道具を好む自分には何の違和感も覚えなかったが、ちょっとつまずいたときにはハッと思ってロッドを持つ手を注意していたのは確かです。
それはきれいなリールに傷をつけたくないわけではありません。道具ですから使えば目減りするのは当たり前です。「軽量で損傷しやすい道具」と思って使っているからです。道具との付き合い方は人付き合いと同じかな、と日々感じています。

昨シーズンは、ロッドを2本ばかりポキポキしました。まだ自分はロッドとはうまく付き合っていないようです。
暖かくなる頃にはロッドの骨折が完治するようなので、お見舞いついでに川にでも連れて行ってあげようと思っています。
リールは釣り人生で唯一1個、ご臨終となっています。自分の不注意でしたが、今は目に見える所に置いてあり”良い旅の思い出”となっています。自分を大人にしてくれた宝物です。
(レポート:T氏)